中古車販売業 消費税の処理に注意!
中古車販売業の消費税の処理については間違えやすいので注意して下さい。
未経過分の自動車税、自賠責保険料
新車を購入した場合、自動車税、自賠責保険料の消費税の課税区分は下記となります。
自動車税⇒税金の支払いなので不課税
自賠責保険料⇒保険料の支払いなので非課税
中古車販売業者は、車検残が残っている車両を仕入れる場合や販売することがあります。
その際に、未経過分の自動車税や自賠責保険料を新車購入と同様に、不課税、非課税としないように注意が必要です。
未経過分の自動車税、自賠責保険料は消費税法基本通達10-1-6や質疑応答事例での回答があり、課税取引に該当することになっております。
理由は、自動車税は4月1日現在の所有者(売主)に対して課税される税であり、買主に納税義務はないので、買主が支払う自動車税の月割り相当額を購入代金の一部として考えて、課税取引に該当するとしています。
自賠責保険料についても同様の考え方により未経過分は課税取引に該当します。
つまり、中古車を販売した場合、未経過分の自動車税、自賠責保険料は車両本体と同様に「課税売上げ」として計上し、中古車を仕入れ場合、未経過分の自動車税、自賠責保険料は、車両本体と同様に「課税仕入れ」として処理することになります。
リサイクル預託金
中古車の売買時にリサイクル預託金相当額が精算されます。
リサイクル預託金は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づき資金管理法人に預託されているものであり、預託金の精算は売主から買主へ預託金の譲渡が行われたことになります。
預託金の譲渡は金銭債権の譲渡に該当するので非課税取引となります。
リサイクル預託金は非課税取引となり、車両本体の課税区分と異なりますので、車両本体の課税区分と分けて仕訳処理する必要があります。
リサイクル預託金については「リサイクル預託金仕入高」や「リサイクル預託金売上高」といった勘定科目を設定するか、「リサイクル預託金」といった補助科目を設定して会計ソフトに入力することをお勧めします。
また、消費税申告書作成する際に、課税売上割合を算定する必要がありますが、 金銭債権の譲渡の取り扱いと同様に販売時のリサイクル預託金の全額ではなく、リサイクル預託金の5%相当額を分母の非課税売上高に加算して算定することになります。