足場、ドローン LEDレンタル節税スキーム封じ込め【令和4年度税制改正】
近年、節税対策(課税の繰り延べ)として利用されていた足場レンタル、ドローンレンタル、LEDレンタルのスキームが令和4年税制改正により封じ込められました。
令和4年4月1日以後に取得等をする場合に適用される見込みです。
足場レンタル
建設現場などで利用される足場を購入し、購入した足場を足場レンタル事業会社に貸し出して、運営保管を任せてレンタル料収入を得るスキームです。レンタル期間終了後は、足場レンタル会社に足場を売却して、売却収入を得ることができます。
足場が一本単位10万円未満の資材であることから少額の減価償却資産にあたり、消耗品として取り扱われ、購入金額の資材総額が数百万円(金額上限なし)であっても全額一括で経費計上することができました。
メリット
・全額即時費用にできるので、節税できる。(課税の繰り延べができる)
・レンタル収入や売却収入を得ることができる。
デメリット
・足場レンタル会社の倒産するリスクがある。
ドローンレンタル
ドローンを一括購入し、ドローンスクール、工事現場の物件視察のためにレンタルし、レンタル収入を得ることができます。
ドローンが1機当たり10万円未満であることから少額の減価償却資産にあたり、消耗品として取り扱われ、購入金額総額が数百万円(金額上限なし)であってもの全額一括で経費計上することができました。
メリット
・全額即時費用にできるので、節税できる。(課税の繰り延べができる)
・レンタル収入を得ることができる。
デメリット
・レンタル先会社の倒産するリスクがある。
LEDレンタルも上記の足場レンタルやドローンレンタルと同様のスキーム、メリット、デメリットのため説明を省略いたします。
上記のように、足場、ドローン、LEDレンタルも消耗品として一括で全額損金計上ができるために課税の繰り延べができました。
節税対策(課税の繰り延べ)封じ込め
上記の節税対策(課税の繰り延べ)を防止するため、令和4年税制改正では下記の特例について「貸付用の事業資産(主要な事業として行われているものを除く)」については除外されることになりました。
① 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度( 法令133 )
② 一括償却資産の損金算入制度( 法令133の2 )
③ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例( 措法67の5 )
「貸付用の事業資産(主要な事業として行われているものを除く)」については除外されるので、通常の減価償却資産として償却することになり、全額即時に損金算入ができないので、節税対策(課税の繰り延べ)ができなくなりました。
適用は、令和4年4月1日以後に取得等をする減価償却資産からとなる見込みですのでご注意ください。
参考条文等
法人税法施行令
第133条 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入
内国法人がその事業の用に供した減価償却資産(第48条第1項第6号及び第48条の2第1項第6号(減価償却資産の償却の方法)に掲げるものを除く。)で、前条第1号に規定する使用可能期間が1年未満であるもの又は取得価額(第54条第1項各号(減価償却資産の取得価額)の規定により計算した価額をいう。次条第1項において同じ。)が10万円未満であるものを有する場合において、その内国法人が当該資産の当該取得価額に相当する金額につきその事業の用に供した日の属する事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。