小規模宅地の特例って何ですか?

小規模宅地の特例とは、被相続人(亡くなられた方)等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等がある場合には、一定の要件のもとに、遺産である宅地等を減額する制度です。

居住用の宅地については240㎡(約72坪)まで80%減額

事業用(貸付事業を除く)の宅地については400㎡(約121坪)まで80%減額

貸付事業用の宅地については200㎡(約60坪)まで50%減額

具体的な例で説明しますと、

前提
・相続人は子1人、財産は土地のみ
・土地の面積240㎡
・相続税評価額1億円

小規模宅地の特例を適用すると
1億円-(1億円×80%)=2,000万円
土地の評価額2,000万円<基礎控除額6,000万円
よって相続税額が0円

小規模宅地の特例を適用しない場合
(1億円-基礎控除6,000万円)×税率20%-控除額200万円=600万円
よって相続税額が600万円

小規模宅地の特例を適用することで相続税額を600万円も減額(節税)されることになります!

平成25年税制改正(平成27年1月1日施行)により、さらに影響額は大きくなります。

小規模宅地の特例を適用すると
1億円-(1億円×80%)=2,000万円
土地の評価額2,000万円<基礎控除額3,600万円
よって相続税額が0円

小規模宅地の特例を適用しない場合
(1億円-基礎控除3,600万円)×税率30%-控除額700万円=1,220万円
よって相続税額が1,220万円

小規模宅地の特例を適用することで相続税額を1,220万円も減額(節税)されることになります!!

※居住用の宅地、事業用(貸付事業を除く)の宅地、貸付事業用の宅地と複数ある場合は、複数の土地の適用が可能ですが、適用面積については制限がございます。

小規模宅地の特例を適用することは節税対策に効果的ですが、適用するためには下記の3つの要件が必要となっております。

ポイント1
相続税の申告書の提出が必要(小規模宅地の特例の適用を受ける旨を申告書に記載し、かつ必要書類の添付が必要)
⇒「小規模宅地の特例を適用すると相続税額が0円となるので申告書を税務署に提出しなくてもいいでしょうか?」という質問を受けますが、
小規模宅地の特例を適用するためには、申告書を提出し、小規模宅地の特例の適用を受ける旨の意思表示をしない限り適用がないのでご留意ください。

ポイント2
原則として相続税の申告期限までに特例の対象となり得る宅地等が遺産分割されていることが必要

ポイント3
小規模宅地の特例となりうる資産を取得した相続人等が2人以上いる場合は全員の同意が必要

当事務所では「小規模宅地の特例」を適用し、納税額がゼロになる場合にご利用いただける
35万円定額プランをご準備しております。「小規模宅地の特例」の適用は節税対策に効果的ですので
「小規模宅地の特例」の適用をご検討されているお客様はぜひご相談ください。

(参考)
平成25年度税制改正により小規模宅地の特例が変更となります。
小規模宅地の特例の主な改正は下記の通りとなります。

  1.及び2.については平成27年1月1日以後の相続より適用
  3.及び4.については平成26年1月1日以後の相続より適用

1.居住用宅地の特例(80%評価減)の面積拡大
      改正前240㎡(約72坪) → 改正後330㎡(約100坪)

2.特定事業用宅地と居住用宅地の併用可能(80%評価減)
      330㎡(約100坪) + 400㎡(約121坪) =730㎡(約221坪)

3.二世帯住宅でも小規模宅地の適用可能

4.老人ホーム入居でも小規模宅地の適用可能

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