会社設立年度の下半期に役員賞与!消費税免税期間を最大2年間に!


令和5年10月にインボイス制度が始まります。それに向けていよいよ今年の10月より、適格請求書発行事業者の登録申請も始まります。

令和5年10月1日までに会社を設立(資本金1,000万円未満)すると、令和5年10月のインボイス制度開始までの最長2年間消費税が免税になることから、令和3年10月1日までに会社設立や法人成りを検討されている個人事業主様の相談が多くなっています。

会社設立や法人成りを検討されている方で、最長2年間の消費税の免税を受けるためには、会社設立初年度の売上高と役員報酬・給与合計の支払額が上半期の6ヶ月間で共に1,000万円以下でなければならず、1,000万円を超えると次年度(2期目)から課税事業者になり、消費税が免税になりません。

例えば、令和3年10月1日に会社を設立し、1期目の事業年度の終了日が令和4年9月30日の会社とします。

令和3年10月1日~令和4年3月31日までの上半期6ヶ月間で売上高が1,000万円を超え、かつ役員報酬・給与合計の支払額が1,000万円を超えると、2期目の令和4年10月1日~令和5年9月30日の事業年度が課税事業者になってしまい、消費税を納付することになります。

2期目も免税にするためには、1期目の上半期(6ヵ月間)の売上高または役員報酬・給与合計の支払額のどちらか一方を1,000万円以下にすることが考えられますが、経営を行っている以上、売上高を抑えることはあり得ませんので、役員報酬・給与合計の支払額を1,000万円以下にすることが考えられます。

役員報酬・給与合計の支払額が1,000万円を超えるか微妙な時は、従業員の給与を抑えることも現実的には難しいので、役員報酬を抑えられないかを検討することになるかと思います。

役員報酬は基本的に毎月同額を支給しないと全額損金(税務上の費用)にはできないので毎月同額を支給することになります。

基本的に1度決定してしまうと2期目になるまで変更できないので低い金額で決定してしまうと1年間低い金額を支給し続けることになります。

役員報酬を抑えることにより役員報酬・給与合計の支払額を1,000万円以下にすることができても1年間低い役員報酬ではモチベーションが下がり厳しいかと思います。

そこで下半期に役員賞与を支給することにより役員の年収をコントロールすることができます。

例えば、①1期目の10月から役員報酬を毎月55万円で決定した場合は年収660万円、

②1期目の10月からの役員報酬を毎月15万円に決定し、4月に480万円の役員賞与を支給する場合は年収660万円で同じになりますが、①の上半期の役員報酬は330万円、②の上半期の役員報酬は90万円となり上半期の役員報酬を低く抑えることができます。            

下半期に役員賞与を支給し損金算入(税務上の費用)にするためには、会社設立後2ヶ月以内に税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出し、届出に記載した支給日に役員賞与を支給する必要がございます。

下半期に役員賞与を支給することにより役員の年収は変わらずに消費税免税期間を最大2年間とすることができるので検討する余地はあるかと思います。

毎月の役員報酬(定期同額給与)は会社設立後3ヶ月以内に決める必要がありますが、

役員賞与は会社設立後2ヶ月以内に支給日・金額を決定し税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出する必要がありますのでご注意ください。

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