iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)一時金の受取時期に注意!
iDeCo(イデコ)の老齢給付金の受け取り方法には①一時金として受け取る方法、②年金として受け取る方法、③年金と一時金を併用する方法(併用できない金融機関もあり)があります。
①一時金として受け取る場合は退職所得として取り扱われ「退職所得控除」が適用されます。
②年金として受け取る場合雑所得として取り扱われ「公的年金等控除」が適用されます。
①一時金として受け取る方が「退職所得控除」が適用され非課税限度額が大きくなるので①一時金として受け取る方が節税になることが多いです。
①一時金として受け取る場合で、会社から退職金を受け取る予定がある場合は、①一時金として受け取るタイミングにより節税効果に大きな差が生じるので注意が必要です。
退職金は前年以前4年以内に他の退職金を受け取る場合、重複期間について退職所得控除額を減額する必要があります。
(詳細は「退職金で節税!注意点は?退職金で節税!注意点は?【4年以内に他の退職金支給、特定役員退職手当等短期退職手当等】」を参照。)
他の退職金を受け取る場合と異なり、iDeCo(イデコ)一時金の場合は、前年以前19年以内に会社から退職金を受けいていると重複期間に相当する退職所得控除額を減額する必要がありますので注意が必要です。
iDeCo(イデコ)一時金を受け取った後、5年以上あけて会社から退職金を受け取った方が、一番節税効果が高くなります。
前提
・会社からの退職金2500万円(30歳~60歳勤務)
・iDeCo(イデコ)の受給額500万円(40歳~60歳積み立て)の場合
ケース1
退職金を会社から60歳で受取り、iDeCo(イデコ)一時金を65歳で受け取る場合
1.60歳時点
(2500万円―退職所得控除1500万円)×1/2=500万円
所得税:500万円×20%-427,500円=572,500円
住民税:500万円×10%=500,000円
合計:1,072,500円
2.65歳時点
(500万円-80万円)×1/2=210万円
所得税:210万円×10%-97,500円=112,500円
住民税:210万円×10%=210,000円
合計:322,500円
60歳時の税金+65歳時点の税金=1,395,000円
ケース2
iDeCo(イデコ)一時金を60歳で受取り、退職金を会社から65歳で受け取る場合
1.60歳時点
(500万円―退職所得控除800万円)×1/2=0円
所得税:0円
住民税:0円
合計:0円
2.65歳時点
(2,500万円-1,500万円)×1/2=500万円
所得税:500万円×20%-427,500円=572,500円
住民税:500万円×10%=500,000円
合計:1,072,500円
60歳時の税金+65歳時点の税金=1,072,500円
まとめ
ケース1とケース2を比較するとケース2が322,500円節税になることがわかります。
現行制度では、先にiDeCo(イデコ)一時金を受け取り、5年以上あけて会社から退職金を受け取った方が、節税効果が高くなることだけでも覚えといて頂ければと思います。