Q2.新規開業当初、会社設立時の資本金はいくらにすればいの?
Answer
会社設立の段階においては、下記の➊~❻の観点から総合的に判断し、まとめの3つの項目を加味し決定することが望まれます。
➊税金面の観点から
消費税
資本金によって、消費税の課税開始時期(消費税をを納める時期)が変わってきます。
資本金1,000万円未満で会社を設立すると、一定の場合を除き、設立後2年間は消費税を納めなくてもいいことになります。
参考:国税庁HP NO.6501 納税義務の免除
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6501.htm
法人住民税の均等割
会社が赤字であっても、毎年納めなくてはならない税金として「法人住民税の均等割」があります。
この税金は資本金によって変わってきます。
たとえば、従業員が50人の場合、資本金が1,000万円以下であれば7万円ですが、1,000万円超になると18万円に上がります。
❷運転資金面の観点から
資本金は会社設立後、事業を運営していくのに大事な元手となります。
会社の設立時には資本金を一度銀行に預けますが、この預けた資本金を「使ってはいけないのでは?」と考える人もいます。でも、そんなことはありません。資本金はいったん預けたあと、それを自由に開業資金や運転資金に回すことができます。
業種にもよりますが、初期費用+設立時から3ヶ月~半年程度の経費(運転資金=必要経費)を資本金と設定することが1つの目安になります。そうすれば、取引先から入金がなくても、安心して事業を運営することができます。
❸借入・融資の面の観点から
会社設立の際、開業資金の全額を借り入れることは、まず厳しいと考えて下さい。借り入れを申し込んだ場合、貸し出す側からすると、上記の❷で説明したように、事業が安定して運営できているのか懸念材料の1つとなっています。
❹許認可の観点から
業種によっては、許認可を受ける条件として資本金が決められている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
❺決算書の観点から
会社は、事業年度ごとに決算書を作成します。その際、資本金があまりにも少ないと、赤字を少しでも出してしまったら、債務超過(経営破たん状態)になります。
❻信用面の観点から
資本金は会社の規模や信用力を見る大事な指標です。会社を設立して登記をすると、資本金は「登記事項証明書(登記簿謄本)」に記載され、誰でも見ることが可能となります。
ただ事業を行う上で、取引先やそのほかの関係者が資本金をあまり問題にしないような場合は、少ない金額で設立してもよいでしょう。
●資本金の決定方法
初期費用+(1ヶ月に必要な運転資金×3ヶ月~半年分) | |
【初期費用】 | 【1ヶ月に必要な運転資金】 |
◍事務所、店舗の初期費用(敷金、礼金等) ◍会社設立費用 ◍設立前にかかる経費等 |
◍事務所、店舗の家賃 ◍設備、備品の購入費用 ◍商品の仕入 ◍消耗品費 ◍人件費 ◍広告宣伝費 ◍通信費、交通費、水道光熱費等 |
まとめ
●資本金は1,000万円未満
●初期費用と3ヶ月~半年分の運転資金の合計金額が1つの目安
●許認可の必要な事業によっては最低資本金が決められていることがあるので要確認