法人成り、廃業時に注意!事業税見込控除


個人事業主の方で前年度の所得が290万円を超えている場合は、県税事務所から8月頃に通知がきて個人事業税を支払っているかと思います。

例えば個人事業主の方で令和2年度の確定申告の所得が290万円を超えている場合、県税事務所から令和3年8月頃に通知が来ることになります。

通常年度は個人事業税の通知が来た年度に租税公課として経費に計上することになります。

ただ、法人成りや廃業した年の翌年度の8月頃に通知が来ても、法人なり・廃業しているので経費に計上することができません。

そこで、例外的に「個人事業税の見込控除」の計上が認められており、法人なり・廃業年度に認められ、8月頃に通知がくる個人事業税を見込みで法人なり・廃業年度の経費として計上することができます。

個人事業税の見込控除

個人事業税の見込控除の計算は以下の通り。

 見込控除額=(A+-B)×C÷(1+C)

 A:事業税の課税見込額を控除する前の廃業年分の事業所得の金額

 B:事業税の課税標準の計算上Aに加算し又は減算する金額

  加算する金額・・・青色申告特別控除額(65万円又は10万円)

  減算する金額・・・事業主控除額290万円(月数按分)

 C:事業税の税率3~5%(業種により決定)

計算例

 A:令和2年1月1日から令和2年6月10日までの 青色申告特別控除後の所得金額が 435 万円(青色申告特別控除 額65万円)

 B:事業税の課税標準の計算上Aに加算し又は減算する金額

  加算する金額:青色申告特別控除額65万円

  減算する金額:290 万円×6 月÷12 月= 1,450,000円

 C:事業税率は 5%

 (4,350,000円+650,000円‐1,450,000円)× 0.05 ÷(1 + 0.05)= 169,047円

この場合事業税の見込控除として、169,047円を租税公課として計上できます。

法人成り・廃業なされる方は法人成り・廃業年に事業税の見込控除の計上を忘れないようにご注意ください!

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